幼若永久歯の虫歯

幼若永久歯とは

幼若永久歯とは、子供の頃に乳歯が生え変わってすぐの永久歯のことです。

幼若永久歯は歯質がまだ未熟で弱い永久歯です。

幼若永久歯の特徴

幼若永久歯は生えたばかりで咬む面が摩耗していません。ですからゴツゴツとしている一方で歯の溝は深く、汚れが入り込むと取りにくいです。

また、歯の表面のエナメル質も不完全な状態であり、中の象牙質も象牙細管と呼ばれる管が太く大きいです。エナメル質は徐々に成熟していきますし、象牙細管は年齢とともに徐々に細くなっていきます。

また、歯の神経(歯髄)も大きく、髄角と言われる神経の角も尖っているため、比較的神経が外界に近くなっています。

これが、だんだんと成熟していくと、歯髄腔(歯髄の部屋)は狭くなり、歯の磨耗により溝が浅くなってきます。また、象牙細管も狭く細くなり、これにより虫歯の進行が徐々に遅くなります。逆に言うと幼若永久歯の場合は虫歯の進行がとても早いです。

つまり、歯が生えて間もない頃になった虫歯と、高齢になってからできた虫歯では進行速度が違い、子どもの頃にできた虫歯のスピードは早いということになります。

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幼若永久歯の虫歯

幼若永久歯の虫歯はどのように進行するのでしょうか。

幼若永久歯の虫歯の特徴

①進行が早い

②虫歯になった位置から歯の神経に向かって進行する

永久歯の虫歯の特徴

①進行は幼若永久歯に比べ遅い

②象牙細管が細くなっていることもあり神経の方向にも進むがエナメル質と象牙質の境目を広く広がる。

症例

患者:16歳 男性

患歯:左上第一大臼歯に虫歯

患歯についての主訴:特になし

初診時の状態

左上第一大臼歯、咬合面の溝に虫歯がありました。

特に痛みもなく、冷たいもの、甘いものが凍みるという症状はありませんでした。

レントゲン撮影

右から二番目(口腔内では奥から二番目)の歯に虫歯が広がっている像があります。

エナメル質の虫歯の入り口は小さいものでしたが、中では象牙質に大きく虫歯が広がり神経の近くにまで及んでいるのがわかります。

このような場合、麻酔を行い、虫歯を取っている時に唾などで感染が生じないようにラバーダムというゴムのシートをかけて治療を行います。

エナメル質を削ると中では虫歯が広く広がっていました。

虫歯を染め出す液(青色)で虫歯を染めています。これが象牙質で虫歯になっている部分です。

この虫歯になっている部分を除去します。

虫歯を除去していくと歯の神経がうっすらと見えてきました。

この神経まで虫歯が及んで感染してしまっていたら神経を取る治療が必要になります。

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神経を取った歯は脆くなってしまいますし、今回はズキズキと痛む症状もなかったことと、患者がまだ16歳と若かったことから神経を保存する治療を行いました。

虫歯を慎重に取り除き、神経まで穿孔しないように少しずつ行っていきましたが、これ以上進めると神経まで穿孔してしまうと判断し、虫歯の除去はここでストップします。

虫歯が広がっていたところに一層虫歯菌の繁殖を抑える薬を置きます。

その上に歯に直接付き、ある程度強度のある仮蓋を行い、治療を終えます。

治療後の症状

治療後にズキズキとした痛みが出たり、冷たいもの、温かいものが強くしみるようでしたら神経を取る治療が必要です。

この歯は定期的にレントゲンを撮影して、虫歯があったところ(現、薬を置いているところ)と神経の間に新たな歯の組織が出来上がってきて距離がしっかりできてきたことを確認したら、この仮蓋と薬を除去してコンポジットレジンにて修復します。

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様子を見ていく期間は約半年間を目安としています。