なぜ銀歯は外れるのか

銀歯脱離国、日本

皆さんのお口の中に銀歯はありますか?被せているものや詰めてあるもの、大小様々、入っている人は多いのではないでしょうか。

そして、その銀歯が外れたことはありますか?一度や二度、外れた経験のある人は多いのではないでしょうか。

なぜ、銀歯は外れるのでしょうか。

銀歯の接着剤

銀歯は歯と接着剤でくっついています。銀歯が外れるということは、その接着剤が外れてしまっているということです。

現在用いられている接着剤では①グラスアイオノマー系接着剤と②レジン系接着剤の二つがあります。

①グラスアイオノマー系接着剤

グラスアイオノマー系接着剤は昔から幅広く用いられ、現在も改良を重ねながら使用されています。

品種改良もさることながら、たくさんの種類が色々な会社から販売されています。言わば、歯科界の接着剤のスタンダードともいうべき接着剤です。

グラスアイオノマー系接着剤の利点

グラスアイオノマー系接着剤の利点はなんと言ってもフッ素徐放性です。接着剤自身が有するフッ素を接着剤として働きながら徐々に歯に放出し、歯を強くする性質があります。

また、グラスアイオノマー系接着剤は歯質接着性といって「歯にくっつく」という特性があります。接着剤なんだから当たり前!と思うかもしれませんが、これはグラスアイオノマーの良い特質なのです。

グラスアイオノマー系接着剤の欠点

グラスアイオノマー系接着剤は水分の多いところで劣化してしまう性質があります。口腔内は常に湿潤状態ですから、実はグラスアイオノマーにとってはあまり良い環境とは言えないのです。

湿潤下で劣化してしまった接着剤は歯から剥がれてしまうため、ガムやキャラメルの粘着性の強い食べ物でそのまま取れてしまうというカラクリな訳です。

②レジン系接着剤

レジン系接着剤とはつまり、接着剤の主成分がプラスチックと言うことです。

レジン系接着剤も以前よりも改良され、操作性も良く、簡便に使用できるようになってきました。

レジン系接着剤の利点

レジン系接着剤はグラスアイオノマーと比べ、湿潤状態に強く、接着力も高いです。そのため、歯としっかりと接着してくれるというとても頼もしい材料です。

レジン系接着剤の欠点

レジン系接着剤は歯にはくっつきません。利点において強く付くと書きましたが、それはレジン系接着剤の特性と歯の性質をしっかり把握した上で、操作上問題なく治療が行われた場合ということです。

プラスチックの接着剤ですから、そのまま歯にはくっつきません。用いる場合は歯の表面をしっかりと綺麗に洗い、表面にボンドを塗るなど処理を行い、そして詰め物や被せ物の内面も表面処理を行ってからくっつけます。

もちろん、この操作中に歯が唾で濡れようものなら最初からやり直しです。接着操作はとてもシビアに行われる必要があります。

ちなみに、プラスチックと銀歯の相性も悪いのでしっかりとした処理が為されなければ、レジン系接着剤で付けたと言えどもすぐ外れてしまうのです。

噛み合わせで外れる銀歯

噛み合わせが原因で銀歯が外れることがあります。

歯ぎしり、食いしばりが強い人では銀歯が外れやすい傾向にあります。

それは、その噛む力によって中の接着剤が破壊されてしまうということなのです。どちらかというと、グラスアイオノマー系よりもレジン系の方が噛み合わせの力には耐える力が大きいと思われます。

銀歯の寿命

銀歯の寿命、つまり耐用年数は5〜8年とお話しすることが多いです。

なぜ、そのように説明するかというと、銀歯はやはり色々な詰め物、被せ物の材料がある中でもそこまで精度は高くはないですし、その精度を補っている接着剤もまた詰め物の中で劣化してしまっている可能性を考えると、そのくらいの年数が経ったら虫歯でボロボロになってしまう前に交換しておいてはいかがでしょうか?ということなのです。

歯と詰め物を一体化させる方法

虫歯ができて治療しなくてはいけなくなった時に、しっかりケアをしても外れてしまうかもしれない、虫歯になるかもしれない材料では安心できなくはないですか?

そうであれば、歯と詰め物、被せ物を一体化させることで、外れない、虫歯にならない状態にしておけば安心できます。

1、銀歯ではない材料を使う

ハイブリッドセラミック

銀歯は前記したように、精度的な問題もありますし、表面的に汚れを溜め込みやすい性質があります。

現在、歯科材料として用いられているものの中で精度が高く汚れもつきにくい材料はセラミック、ジルコニアという材料です。

材料を変えるだけで虫歯を再発させるリスクは格段に低くなります。

歯の詰め物について詳しく見る

歯の被せ物について詳しく見る

2、レジン系接着剤を使う

やはり、歯と詰め物、被せ物を一体化させ、そのままの状態を長く保つとなればグラスアイオノマー系よりもレジン系の接着剤の方が有利な場合が多いです。

しかし、接着操作をしっかりと行わなければいけないのでそこもしっかりとクリアできるかどうかがポイントになります。

3、歯の表面処理

歯の表面には色々な汚れが付いています。唾の成分やプラークなどが付着した状態では、しっかりと詰め物、被せ物をつけることができません。

歯の表面の処理をしっかり行った上で接着操作に移ることが望ましいです。

4、防湿下での接着操作

ラバーダム防湿

しっかりとした接着操作を行うためには、しっかりとした防湿下で行うことが望ましいです。

口腔内は常に湿潤状態ですし、唾だけではなく、実は呼気の中にも水分が含まれるため、接着を阻害してしまう可能性があります。

なぜ銀歯は外れるのかのまとめ

フッ素の効果のまとめ

銀歯をつけて歯が治ったと安心している方がいたら、それは気をつけていただきたいです。それだけではまた虫歯を引き起こしてしまう可能性があるからです。

しっかりとした口腔ケアを行うとともに、できれば歯を守っていくためには使用する材料にもこだわって治療を受けることをお勧めします。